小林由紀

2007年の中ごろから、私は、麻原は、オウム真理教ができてはじめの事件が起こった頃には、すでに一種の精神病的な状態であったのではないかと思うようになりました。 「もしかしてそうなのでは…」と、その考えに至った時には、一定のショックがありましたが、それよりも、その見解で考えると、今までの教団や自分自身の心理状態を分析、理解するにあたって十分納得が行く、ということの方が大きく、私にとっては目が覚めるような感覚でした。 そののちに、人格障害という言葉を知りました。人格障害とは、以前は精神病質と呼ばれていたもので、精神病とは違って、一見して健常人に見え、その意味では、普通に社会生活を送ることが出来るのですが、人格上の強い歪み・障害を抱えており、他人に大きな迷惑をかける場合もあるものとされています。 そして、さらにネットなどで、精神病や人格障害について調べていくうち、私自身が明らかに人格障害の状態であったことや、麻原の強いカリスマ性の影に潜んでいた人格障害、精神病理的な傾向も見えて来ました。 私個人としては2000年以降あたりから、「本当のエゴとは何なのか」ということを突き詰めて考えて行き、2005年あたりには、「実は、『グルが絶対だと思いたいこと、信じたいこと』自体がエゴだったのだ!」、という、その頃の私にとっては衝撃的な事実が見えて来たのです。